学会が終わったよーん。
・・・まぁ、これで最後だから、ちょっと付き合ってよ、学会の話。
ぼくが行ってきたのは「中部化学関係学協会支部連合秋季大会」っていう、なんだかヤケを起こしたようなむちゃくちゃな名前の学会なんだけどね、名前が長いワリにはこれがまたすっごいコジンマリした集まりなんよ。
「中部」っていうくらいだから、ご近所からしか集まらない。愛知、静岡、岐阜、あとたくさん。ちなみに学会々場は名古屋市内。うーん、コジンマリ。
で、地下鉄を乗り継いで会場へ行く。
久しぶりのネクタイは、ぎこちなさ色した首輪である。
「今日が終われば首輪をはずせる。」
満員電車もなんのその。
会場に着く。
受付を済ませて、いざ戦場へ。
久しぶりの革靴が、足取りの重さを象徴する。
「今日が終われば足かせをはずせる。」
ピリピリ空気もなんのその。
「これを発表するだけでいいんだ」
「矢のような質問を浴びるだけでいいんだ」
学会はA会場からN会場まで14ある会場で、一斉に始まる。
さぁ、始まるまで5分前。
意を決して入るK会場。
狭。
見渡す限り、壁。
こんなウサギ小屋でやるんですか?
でも、ちょっと安心。
ほかの人の発表を聞くこと二時間、ついにおいらの番となる。
「では、次の発表に移ります。表題は『アセトニトリル中における銅二価サレン錯体と金属イオンとの反応機構』。望月さん、お願いします」
カツ、カツ、カツ。
右手にOHPシート。
左手に少しの勇気。
くるり。
振り返るぼく。
15人。
少な。
これってホントに学会?
研究室内でのリハーサルのときの方が人数多かったぞ?
でも、ちょっと安心。
発表はとどこおりなく終了。12分の発表、3分の質問タイム。当然、質問はひとつだけで時間切れ。あっさり。
あぁ、終わったなぁ・・・。
開放感。
達成感ではない。あくまでも開放感。
「よし、ほかの人の発表でも聞きに行くか!」
いまやすっかり極楽トンボ。
プログラムをペラペラ。右へ、左へ。
「これにしようかな。うー。やっぱり時代はナノチューブかな。環境かな。それとも・・・。」
高校の学校祭みたい。少し楽しい。
けっきょく午後は、企業の人の話を聞くことに。
マイナスイオンの発生するという塗料の開発について。
でも、何が入ってるのか、教えてくれない。企業秘密、とな。
なんじゃそりゃ。
どうやら、何かの鉱物が入っているらしい。
化学の人間に、そんな話が通用するかよ。
お家に帰る。
軽い靴音が、足取りの軽さを象徴する。
・・・あ、にわか雨だっ☆
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ようやく自由な時間が作れそうです。
よかったよかった。
でもYセンセは、帰り間際にこう言ったよ。
「来年の学会は山形県だからな」
いやーん。
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